ここ数年で『よもぎ蒸し』は、多くの女性の注目を浴びる民間温熱療法となっており、とくに個人サロン開業を目指す方の中には、よもぎ蒸しを取り入れることを考えている方もいるのではないでしょうか。よもぎ蒸しサロンが持つ大きな魅力は、漢方の知識さえあれば誰でも開業に挑戦できることです。さらに、自宅サロンであれば最低限の準備のみでスムーズに開業準備を進めることが可能です。
今回はよもぎ蒸しサロンの開業について、知っておきたい基礎知識をはじめ、必要な道具や開業費用の目安に加え、資格の要否や取得のメリットについても解説します。ぜひ参考にしてください。
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よもぎ蒸しに関する基礎知識
よもぎ蒸しとは、韓国で約600年ものあいだ親しまれている民間温熱療法です。よもぎの成分を含んだ蒸気を自分の身体に当てることによって、内部から体を温めていく温浴セラピーの一種です。2024年時点では、日本にも全国約6,000店舗のよもぎ蒸しサロンが存在しており、非常に人気の高い美容・健康メニューだといえるでしょう。
方法としてはまず、衣服を脱いだ状態で身体全体をすっぽりと覆うマントを被ります。その後、専用の座椅子に約20分から30分座り、よもぎをはじめとする香草や薬草などの成分が入った蒸気に当たっていきます。ちなみにですが、蒸気を当てる部分は主に下半身が中心となるため、顔などに蒸気が当たるのが苦手な方にもおすすめできる点は、よもぎ蒸しの大きな魅力のひとつといえるでしょう。
よもぎ蒸しの効果について
よもぎ蒸しで得られる効果は、非常に多種多様とされています。まずは、大量の汗をかくことによる血流促進効果です。血流が改善されることによって、疲労回復・免疫力向上・美肌効果などが見込めるでしょう。
また、よもぎにはホルモンのバランスを良くする作用もあります。現代社会で乱れがちな自律神経を改善し、ストレスの解消や心をリラックスさせることにも効果があるといわれています。とくに疲労やストレスに悩む社会人にとって、非常に魅力的な効果だといえるでしょう。
よもぎ蒸しサロンの需要
『よもぎ蒸し』というワードの検索数は、過去数年間を見ても高くなっており、注目度や需要は年々高まっているようです。なかでも20代からの女性から、大きな関心を向けられています。
その要因としては、温活との関係性が挙げられるでしょう。温活とは、身体を温めることによって基礎体温を高め、健康の維持や体調不良を改善することです。一般的には、食生活や運動習慣の改善などで実施することが多いですが、続けることが大変と感じている方もいるのではないでしょうか。
そのような層にとくに注目されたのが、比較的容易に温活ができる方法のひとつである『よもぎ蒸し』です。サロンに足を運ぶだけで、多くの効果が期待できるよもぎ蒸しサロンは、忙しい現代人にとっても魅力的な温活方法であるといえるでしょう。
よもぎ蒸しサロン開業に必要な道具・開業費用の目安
よもぎ蒸しサロンの開業を検討している人は、まずはサロン開業に必要となるアイテムや開業資金の目安を知っておくことが大切です。そうすることで、開業準備がスムーズに進みます。ここでは、よもぎ蒸しサロン開業に必要な道具と開業資金の目安について詳しく解説します。
よもぎ蒸しサロンの開業に必要な道具
よもぎ蒸しサロンは、よもぎを煮立たせた蒸気を利用してお客さんの身体を温めることで健康効果を得られる美容サロンのひとつです。基本的な道具には、専用の座椅子や専用マント、よもぎを加熱するための鍋、座浴剤が挙げられます。
基本の道具は商品によって価格に差があるものの、すべて揃えると数万円から20万円程度必要です。また、座浴剤は施術1回ごとに必要となるため、定期仕入れで購入するのが通常です。
各道具の相場ですが、専用の座椅子は2万円から15万円、専用マントは2,000円から1万3,000円、座浴剤は1回あたり約500円から1,000円です。また、よもぎを加熱するための鍋は種類によって相場が違い、電気鍋は8,000円から2万5,000円、土鍋だと5,000円から3万円となっています。
ちなみに、専用の座椅子を黄土製にするという選択肢も存在します。一般的な木製のものに比べ、高価にはなってしまいますが、約80倍の施術効果があるそうなので、他サロンとの差別化には有効かもしれません。予算次第では、検討してみるのもいいでしょう。
加えて、施術の前後で必要となるアイテムとして、カウンセリングスペースに使用するテーブル・椅子や筆記用具、お客さんの汗を拭くタオル、スリッパ、着替えロッカー、帰宅前に使用できる鏡・ドライヤーなどが挙げられます。さらに、サロンの顧客情報や予約管理に使用するタブレットやパソコンなどの端末、レジなどの準備も必要となるでしょう。
よもぎ蒸しサロンの開業費用の目安
よもぎ蒸しサロンの開業資金は、サロンの規模やエリアによっても大きく異なります。たとえば、自宅でスタッフを雇わずに開業する場合には、必要なアイテムを揃えるのみですぐに開業することが可能です。
また、マンションの1室をサロンとして営業する場合には、約100万円の開業資金が必要になります。さらに、店舗を構えてスタッフを雇うケースでは、300万円以上の開業資金が必要となるケースもあるでしょう。
費用を抑えて開業したい人は、開業資金の中でもとくに高額となる物件取得費用を抑えるため、自宅の一部をサロンとして活用するスタイルがおすすめです。
よもぎ蒸しサロン開業に資格は必要?不要?
よもぎ蒸しサロンの開業や施術に関して、専用資格の取得が必要なのではないかと不安に思う人もいるでしょう。ここでは、よもぎ蒸しサロンの開業に関連する資格について詳しく解説します。
よもぎ蒸し関連資格はスキルアップの一貫
よもぎ蒸しの施術には国家資格や取得必須の資格はなく、資格がない人でも施術にあたることが可能です。つまり、よもぎ蒸しの道具を揃えて一連の施術の流れを身につけていれば、誰でもサロンの開業に挑戦できます。
よもぎ蒸しに関連する資格には、よもぎ温活検定や韓方座浴(よもぎ蒸し)認定セラピストなどの民間資格がありますが、あくまでスキルアップのための資格であり、必須のものではありません。
よもぎ蒸し関連の資格を取得する際にかかる費用相場ですが、一般的には2万円から10万円程度となっています。期間は1日または2日程度で、5時間前後の講習を対面やオンラインで実施しています。興味がある方は、一般社団法人や民間の団体が開催している講座をチェックし、資格取得に挑戦してみるのもいいのではないでしょうか。
地域によっては保健所の許可が必要なケースも
よもぎ蒸しサロンを開業する地域の自治体によっては、サロン経営にあたって公衆浴場法に基づいて保健所の許可が必要となるケースもあります。開業前に必ず開業エリアの自治体に問い合わせ、許可の要否を確認しましょう。
よもぎ蒸し関連資格を取得するメリット
よもぎ蒸しサロンは資格不要で開業できますが、民間資格を取得しておくことでさまざまなメリットを得られます。ここでは、よもぎ蒸し関連資格を取得することのメリットについて詳しく解説します。
競合サロンとの差別化を図れる
よもぎ蒸しの関連資格を取得しておけば、競合サロンとの差別化を図ることが可能です。
先述の通り、よもぎ蒸しサロンは資格不要で、漢方の知識があれば誰でもかんたんに挑戦できるのが魅力である一方、その分競合との差別化が難しいという側面もあります。そこで、資格取得により専門性の高さをアピールできれば、集客時のアピールポイントとしても役立つでしょう。
サービスの質を向上させられる
よもぎ蒸し関連の資格では、漢方の知識やよもぎ蒸しの効果的な施術方法、カウンセリング方法などを細かく学べます。よもぎ蒸しに関するより深い知識・技術を身につけてサービスの質を向上させたいと考えている人は、民間資格を取得することでスキルアップを目指すのがよいでしょう。
サロン経営に関する知識を得られる
よもぎ蒸し関連の資格講座はいくつか存在し、そのなかにはサロン経営に関わる知識、たとえば集客方法などを教わることができる講座もあります。開業する前の準備段階から開業後の運営まで、幅広く活かせる知識を身につけることで、具体的なサロン経営へのビジョンが描きやすくなるでしょう。また、現代では必須となるSNS運用や集客ツールの活用についても、よもぎ蒸し関連知識と並行して学んでおく価値がありそうです。
よもぎ蒸しサロン開業に向けた市場調査・競合分析
よもぎ蒸しサロンを開業するにあたり、準備段階として実施していきたいことが、市場の調査や競合店舗の分析です。運営していくサロン業界の市場を正しく把握することで、焦点を当てるべき顧客層や戦略が明確になってきます。ここからは、具体的な調査方法や分析方法について見ていきましょう。
近隣サロンの調査
まずは、自分がサロンを開業したいと検討している地域の周辺に、よもぎ蒸しサロンの他店舗があるかどうかチェックしてみましょう。グーグル検索やグーグルマップのほか、インスタグラムなどのSNSや美容系のポータルサイトを活用すると、効果的にリサーチを実施できます。
できるだけ幅広い種類の媒体をチェックし、とくにインターネット上で評価を獲得しているよもぎ蒸しサロンに注目してみましょう。サロンを経営していくうえで、役に立つようなヒントが見つかるかもしれません。また、実際にいちど気になったサロンに足を運びリサーチしてみるのも、有効な手段のひとつです。
競合店舗のサービスを分析
近隣のよもぎ蒸しサロンがどのようなサービスを行っているのか、特徴などをあらかじめチェックしておくことも効果的です。たとえば施術料金やコースの内容、どのような客層を狙っているのか、宣伝・プロモーション方法などが挙げられるでしょう。
各店舗をしっかりと分析し、集客面でプラスだと感じるポイント、逆にマイナスだと感じるポイントを分析してみることで、サロン経営にも活かすことができるでしょう。
独自性を強化する戦略を考えよう
全国に多くのよもぎ蒸しサロンが存在する中、新規店舗として上手に経営していくためには、他店舗にはない独自性やオリジナリティが大切になります。サロンとして明確な魅力や強みをアピールできなかった場合、利用者は近場や格安店に向かってしまう恐れがあります。
サロンのオリジナリティを高める方法としては、たとえば「プライベート感の高い個室を設置」「効果の高い施術を導入」「予約特典・キャンペーンの実施」などが挙げられるでしょう。これらの戦略を決めていく際には、あくまで来てくれる方のため、顧客目線のサービスにすることを忘れないようにしてくださいね。
まとめ
今回は、よもぎ蒸しサロンの基礎知識をはじめ、開業に必要なアイテムや開業資金の目安、資格取得のメリットやサロン開業に向けた市場調査・競合分析などについて詳しく解説しました。よもぎ蒸しサロンは、優れた効果や効能を持ちながら気軽に温活ができる方法として、女性を中心に近年人気・注目度どちらも非常に高くなっています。開業に向けて必要な知識を学び、しっかりと準備することで、理想的なサロン経営を叶えることができるでしょう。
よもぎ蒸しの開業時は、専用の道具や専用マント、カウンセリングに使用するテーブルセットなどが必要となります。自宅サロンの場合は道具を揃えるのみで開業できますが、店舗を構える場合は、物件取得費用がかかることで開業資金も高額になります。
また、よもぎ蒸しサロンの開業や施術には特別な資格は必要なく、基本的には5種類の漢方の知識があれば誰でもかんたんに開業することが可能ですが、民間資格を取得することで競合サロンとの差別化を図ったり、よりサービスの品質をアップさせたりできます。市場調査や競合分析といったような開業準備とあわせることで、よりよいサロン経営につなげられるでしょう。
ちなみに当サイトでは、マントを着用しておこなう座浴よりも効率的でよりリラックスできる、おすすめの「よもぎ蒸しベッド」も紹介しているので、ぜひ合わせてチェックしてみてくださいね。